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中央アジア・モンゴル
世界一長い叙事詩『マナス』 2025-08-08

『マナス叙事詩』はキルギスに伝わる英雄叙事詩。
歌や物語として口承されてきた叙事詩で、50万行を超える詩が記録され、世界で最も長い詩といわれています。
マナスの語り部たちは、長い長い物語を何時間もかけて歌い伝えてきました。
物語は 英雄マナスの時代、子セメテイの時代、孫セイテク時代の3部で構成されています。口承文芸のため、語り手や地域によっての違いがありますが、主なプロットは次のようなものです。
第一部 マナスの物語
主人公のマナスは長い間子供を待ち望んでいた敬虔な老夫婦の下に生まれます。マナスは幼少期から聡明で力強く、乗馬の才に恵まれていました。大人になったマナスは、部族内外の敵を倒しながら、バラバラだったキルギスの40部族をまとめあげていきます。
第二部 子セメテイの物語
マナスの死後、部族間で主導権争いが起きまたしても部族は分離。マナス息子のセメテイは、父の意志を継ぎ、部族を再びまとめるために奔走します。しかし試みは失敗し、セメテイは姿を消してしまいます。
第三部 孫セイテクの物語
孫のセイテクは敵国で自分の血筋を知らされずに育てられます。
成長するとともに、彼の出自の謎が明らかになり、祖父・父の意志を継ぎ部族の統一と平和のために立ち上がります。
マナス叙事詩はキルギスの人々のナショナリティに結びつく重要な文化です。キルギスの至る所でマナス叙事詩にかかわる像や名前などを見ることができます。
例えばキルギスの国旗の太陽から出る光は40本あり、これはマナスが従えたキルギスの40部族を表しています。
日本語訳も出版されていますので、一読してみてはいかがでしょうか。
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