お客様の声
チャイコフスキーへのいざない2007
「チャイコフスキーへのいざない」…数少ないながら私が今まで体験してきた十数回の海外旅行の中で、これほどまでに大きな感動と強い印象を心に刻印された旅行はなかったでしょう。

一路、ロシアに向けて
日本では梅雨の気配が漂う2007年5月下旬、正午に成田空港を出発し、ロシア北東に延々と続くツンドラ地帯の上空を飛ぶこと約10時間半、ようやくロシアの首都モスクワの空港へ降り立ちました。 時期はちょうど白夜の頃、モスクワのホテルに到着したのは午後9時近くにもかかわらず、まだ外は夕方のような明るさに、ふと不思議な感覚を覚えます。

チャイコフスキーが晩年過したクリン
翌朝、ホテルを出発し、専用車で一路、チャイコフスキーが晩年を過ごしたモスクワの郊外にあるクリンへ。チャイコフスキーの死後、彼の家を弟の手により博物館として設立した「チャイコフスキーの家 博物館」を訪れた私たちは、やわらかい日差しが入るサロンでお茶とお菓子のもてなしを受けた後、新緑の木々に囲まれた広く美しい庭、そしてチャイコフスキーが実際に住み、彼の愛した遺品が多く展示されている屋敷の中を博物館専属の係員により案内されました。ここでの時間は、とてもゆったりと設けられていたようで、急かされることが全くなく、ゆっくりとした時間の中で、チャイコフスキーがこの家で過ごし作曲していた姿にイメージを膨らませることができる素敵なひとときを味わえたことがとても印象に残っています。
一路、ロシアに向けて

さて、一通りの拝観の後、いよいよ木曽真奈美さんの演奏によるチャイコフスキー愛用のピアノでのソロリサイタルの時間です。年に数回、決められた時に、選ばれた演奏家しか弾くことを許されないチャイコフスキーが愛用したピアノ。 それを今回、日本人としては初めて木曽さんが演奏されるという記念すべき大イベントに私たちの胸が高まる中、新緑に輝く庭からまるで抜け出てきた妖精のごとく若草色のドレス姿で登場した木曽さんの美しさに、私たち一行から誰ともなしに溜息が漏れます。 このピアノを弾くことができる感動と感謝の想いを言葉のひとつひとつに魂を込めるように語る木曽さんのお話に、聴いている私たちにもその想いがぐんぐんと伝わり、熱いものがこみ上げてきて目の前の景色がにじんでいきます。
木曽真奈美さんのピアノ演奏
語り終えた木曽さんはピアノの前にゆっくりと座り、そっと目を閉じて両手を合わせます。演奏前の精神統一を始めた彼女の姿を、水を打ったような沈黙の中で私たちは息を殺して見守り、その瞬間が来るのをじっと待ちます。 やがて木曽さんの手が鍵盤の上に乗せられ、流れるように演奏が始まりました。ピアノから奏でられる抒情に溢れる音、まるでチャイコフスキーがいた世界に入ってしまったかのように周りの空間に完全に溶け込んで演奏する木曽さんの姿、そしてこの瞬間に私たちが立ち会っていることの事実に、言葉ではとても表しきれないほどの感動で心はいっぱいになり、目から溢れ出るものをもう止めることなど全くできない、これほどまでに私自身を感動させてくれたこの体験は、これから一生、私の中に強く残るすばらしいものとなったのです。

私たち全員の心を虜にした木曽さんのソロリサイタルの後にも、素晴らしい企画は次々と続きます。博物館のディレクターとの会食、一般の拝観者には非公開となっているチャイコフスキーの愛用品や彼直筆の楽譜などが私たちのために特別公開され、私たちだけのために弦楽四重奏によるミニコンサートが開催されるなど、手厚い待遇にただただ感心させられるばかりでした。

チャイコフスキーゆかりの品々にふれる

夕刻、そんな驚きと感動の中、じっくりとチャイコフスキーを満喫したクリンを後に、私たちはモスクワへ帰途に着いたのでした。

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チャイコフスキーの生まれ故郷ヴォトキンスク
旅行4日目に訪れたチャイコフスキーの生家があるヴォトキンスクも強く印象に残った場所のひとつです。モスクワ近郊ジモジェヴァ空港から飛行機に乗り東へ約2時間。ウラル山脈の西側に位置するイジェフスク空港から更に車で約50Km走ったところにあるヴォトキンスクは、昔ながらのロシアの風景が広がる田舎町です。ここでも数々のサプライズが用意されていました。

まず、イジェフスク空港に降り立ったとき、飛行機の下で現地ガイドと共に待っていたのは、民族衣装を身にまとい、大きな丸いパンを手にした若く美しい女性でした。ガイドの説明によると、昔からの習わしで歓迎の意を表すときに、大きなパンを焼き、来訪者に振る舞い、一切れずつ食べてもらうのだそうです。そんな異国の習慣に触れることができるのもまた大きな喜びです。 イジェフスク空港にて

イジェフスクのホテルでチェックインした後、車でヴォトキンスクへ向かいます。四方を地平線に囲まれた広大な平原に続く道を約1時間ほど走ったところに、その地はありました。豊かな水を湛えた湖を目の前に、小奇麗な木造の建物が建っています。チャイコフスキーの生家です。 チャイコフスキーの生家

そして、ここにもサプライズはありました。まず到着して最初に驚かされたのは、生家の前に地元のテレビ局のレポーターとカメラマンが私たちの到着を待ち構えていたこと。ロシアを代表する大作曲家チャイコフスキーの生家という観光名所がありながら、ロシアの主要都市から遠く離れたこの田舎町ヴォトキンスクには、今まで日本人ツアー客が訪れたことがなく、故に私たちがその第1号ということで、これは地元の一大ニュースとばかりにテレビが取材に出向いたとのことでした。 テレビの取材

そして、もう一つのサプライズは、このチャイコフスキーの生家の中で、私たちのために開催してくれた地元の子供たちの演奏によるミニコンサートです。次々に愛らしい子供たちが民族楽器を手に奏でてくれる姿と音楽は、微笑ましさのみならず演奏力のレベルの高さにも感動と驚きを覚えました。 子供たちの演奏によるミニコンサート

湖を挟んでチャイコフスキーの生家の対岸に位置するところに、チャイコフスキーが幼少期に洗礼を受けたロシア正教の教会があります。湖畔を散策しながらその教会を訪れてみると、ちょうど大改装中だったのですが、出迎えてくださった神父様は全くそんなことはお構いなし。瓦礫でいっぱいの半ば廃屋と化した教会内を案内されることとなったのです。取り壊し途中の教会内部の探索は、ちょっとしたドキドキする冒険ツアーとなりました。これもまた、普通では味わうことができない貴重な経験となったことは間違いありません。 ロシア正教の教会にて

ヴォトキンスクからイジェフスクにあるホテルへの帰路の車中、ロシア語しか喋れない現地ガイドの方の提案で、みんなで歌を歌いながら時間を過ごした時間も小さな感動を生みました。過去の忌まわしい戦争の時代、その後にも深い溝を残している近くて遠い国であったロシアと日本。しかしながら地理的に隣接する二国には、国境を超え遠い昔から歌い伝えられた歌が、トロイカを始めいくつもあるのでしょう。私たちは、互いが耳覚えのある歌を何曲もそれぞれ自国の言葉で一緒に歌うことができたのです。そのことに改めて気付かされたことに、ロシアへの親近感と喜びを覚えたのは新鮮な感動でした。

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「チャイコフスキーへのいざない」との出会いを振り返って
前述の他にも、アレクサンドル・ネフスキー大修道院にあるチャイコフスキーが眠るお墓、彼の葬儀が盛大に行われたカザン聖堂、彼が教鞭をとったモスクワ音楽院、彼が通った法律学校などチャイコフスキーの足跡を数々辿ることができたこの旅は、世界の作曲家の中で最も私が敬愛するチャイコフスキーをより身近に、そして何倍も好きにさせてくれた貴重なものとなりました 。

チャイコフスキーゆかりの建造物

そんな感動と驚きの連続だったこの旅行との出会いは、たった一枚の旅行のパンフレットがもたらしてくれたものでした。日頃からクラシック音楽のコンサートを聴きに行くことを楽しみとしていた私は、その日もいつものようにコンサート終了後、同行した友人と軽食と会話を楽しみながら、コンサートホールのエントランスで配布されたコンサートの宣伝チラシの束を一枚ずつめくり見ていました。見ていたというよりも、半ば眺め流していたという表現のほうが適切かもしれません。 その次々とめくられていく厚さ1cmを超えるチラシの束のなかに、「チャイコフスキーへのいざない」というタイトルが私の目の前に現れたのです。その文字を見た瞬間、身体の全身に軽く電気が走るような痺れを感じたことを今でも鮮明に覚えています。改めてチラシを見ると、旅行日程は8日間。 一週間を超える長期休暇など気軽に取ることは困難な一介の会社員の私にとっては到底無理なツアーだろうと思いつつも、目をやった旅程には、ロシアの有名な観光都市であるモスクワ、サンクト・ペテルブルグは勿論のこと、チャイコフスキーが晩年居を構えたクリンの「チャイコフスキーの家 博物館」、そしてチャイコフスキーの生家、チャイコフスキー他多くの音楽家が眠るアレクサンドル・ネフスキー大修道院など興味をそそられる数々の訪問地、そしてピアニストとして活躍されている木曽真奈美さんが全旅程に同行されるという普通のツアーでは見られない粋な企画に、子供の頃からチャイコフスキーの音楽が大好きだった私にとって、今後これ以上のツアーはそう容易に出会えるものではないとの判断に至ったとき、「諦める」という選択肢は私の中から完全に消し去られていました。 翌朝、何の迷いもなく大陸トラベルに申込みの電話を掛けていた私がいました。

後々知らされた話ですが、今回これほどまでに私たちが手厚い特別待遇を受けることができたのは、ロシアという国に対して、他の旅行会社では足元にも及ばない程の太いパイプと確かな実績を持つ大陸トラベルだからこそ成せる業であったこと、そして、その事実を目の当たりにした私の選択は決して間違っていなかったのだと強い確信を持つことができました。

文末になりますが、たくさんの感動のともに、この「チャイコフスキーへのいざない」に参加したことによって得られた最大の宝物は、ご一緒頂いたツアー仲間の皆さん、木曽真奈美さん、この旅行を企画して下さった大陸トラベルの方との出会いと、この旅を心から楽しむことが出来た8日間の中で築き上げられた絆と思い出は、私にとって今やかけがえのない財産となっています。本当にこの企画に参加して良かったと心から感じています。また是非、クリンへヴォトキンスクへ行きたい、そしてもちろん、魅力的な企画があればチャイコフスキーでなくても参加させていただくつもりです。
最後になりますが、素晴らしい企画をありがとうございました。

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